東京都江戸川区にある「ニューポート江戸川」さんは、ヤマハシースタイルのほかに独自のマリンクラブを運営されている会社。
このマリンクラブはマリンジェットから53フィートまでのボートをレンタルできる仕組みで、クラブ艇の中でもフラッグシップと言えるPC-41のエンジンを昨年、VolvoD9-500に換装。
この新しくなったPC-41の実力を取材した。

船長を務めていただいた加藤さん
2500回転・18ノット航行で燃料消費は65ℓ/h
余裕で32ノットオーバー

ニューポートマリンクラブは、約30年の歴史を誇る会員制マリンクラブで、マリンジェット・スポーツボートを始め、最大では53フィートまでの大型ボートまで揃ったボートレンタルシステムである。
会員数も300名程が在籍し、このPC-41はクラブ艇の中でもフラッグシップ的位置づけのボートで、下田国際ビルフィッシュトーナメントでの優勝など、輝かしい歴史を誇るが、エンジンの老朽化に伴い、昨年VolvoD9-500×2に換装。
ニューポートマリンクラブでは、基本的に会員自身がボートを操船・運行するが、このPC-41とクラブ艇最大のDY-53にはクルー2名が同乗する仕組みの為、PC-41の船長を永年努めておられる加藤キャプテンに換装前・後の性能差などをお聞きした。

「加速感が全く違いますね・・」

加藤キャプテンとクルーを務めていただいた浅見常務

昨年、この艇を45フィートに買い替える、という話も有ったのですが、41フィートというサイズは取り回しも良いですし、何しろ愛着も有る艇ですので、「エンジン換装」という方法を選びました。
以前は巡航で21ノット、最高で29ノット程度だったのですが、換装してからは、巡航で26ノット、最高で32.5ノットになり、長距離のクルージングでは全く疲れが違います。
それと、何といっても「加速」が格段に良くなり、カジキ釣りの際にフッキングの為に前進を入れるのですが、今までの感覚で前進に入れると加速が早すぎてフッキングどころかバラしてしまいそうになる程です。
ハンプも全くせずにスムースに滑走状態までもって行けるのは素晴らしいの一言です。

「エンジン換装に合わせ、キャビン内も大改装」

エンジン換装のタイミングに合わせ、キャビン内も改造し、ロアステーションを無くし、全てシートスペースに変更しました。
この艇を使われる会員様の中には、大人数(10~12名)で使われる方も多く、従来の形では6名程度しか寛げなかったのが、改造後は10名がゆったりと座れるスペースに変わりました。
また、スターンデッキのシンクの有った場所にリモコンを設置し、シンクは右に移動させる、という改造も行いました。

その他、スターンデッキの排水口の補強や、NAV Netのダブル設置や25ワット無線機など、クルージングやカジキ釣りに最高のパフォーマンスが発揮できるように配慮もしました。
クルージング中は右側にGPS画像を、カジキ釣り中は右側を魚探画像に変えて使用しています。

停止状態からの急加速では、従来の黒煙は全くなく、ハンプも殆どないままスムースに滑走状態に入れる。

「3割弱の時間短縮」

長距離のクルージングの場合、今まで4時間弱掛かっていた所が3時間強で行けるようになったのは楽ですね・・
時間の余裕ができるというのは精神的な余裕にも繋がりますし、お客様に遊びの提案をする幅も広がります。

お客様の声

この日はマリンクラブ会員歴3年の「柳田さん」ご夫婦の横浜・東京クルージングに同行。
1年に20回程度ニューポートマリンクラブをご利用になる柳田さんは、昨年は2泊3日で伊豆大島・初島・式根島を巡るクルージングでこのPC-41をご利用。
この日は羽田空港・みなとみらい・赤レンガ倉庫・台場を回るクルージングを楽しまれた。
「換装前の艇にも乗った事はありますがあまり覚えていません」「この艇はキャビンも広くエンジン音も静かで快適ですね」「排気の臭いも全く気になりませんね」とボルボエンジン搭載のPC-41に大満足のご様子。

換装Befor After

<エンジンルーム>
SX860KMからVolvo D9-500への換装。
エンジン本体の高さが若干高くなる。
プロペラ・シャフトに関しては、シャフトは従来品を流用し、ブラケットのみ新品交換。
プロペラは560×750mmから560×740mmに変更。
<キャビン>
ロアステーションを廃止し、全てシートクッションに変更。
余裕のキャビンスペースを実現。
<FBコクピット周り>
メーター周りはボルボメーターになりすっきり感が増す。
従来のレーダーとGPS魚探は、2台のNAV Netに代わり視認性・操作性も向上。
<アフトステーション>
ロアステーションを廃止する代わりにリモコンを設置。
シンクは右に移動し大型化。
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