本年のマリンシーズン到来を告げる「ジャパンインターナショナルボートショー2017」が開幕した。
今年も昨年と同様、パシフィコ横浜会場と横浜ベイサイド会場の2会場での同時開催である。

今年は昨年のボートショーを上回る出展希望者が集まり、展示会場スペースも大きく広げての開催となった。
また、初の試みとして2日目の3月3日(金)には、従来の17時までを20時まで延長し、お勤め帰りのお客様が参加しやすい工夫なども取り入れられている。

第1会場 パシフィコ横浜

開会式に先立って11時から開催された業界最大手のヤマハ発動機プレスブリーフィングには、数多くのプレスが集まり、 業界をリードするヤマハ発動機の今年の動きに熱心に聞き入っていた。
グローバルなマリン市場環境やヤマハ発動機のマリン事業への取り組みなどの説明に引き続いて、 本ボートショー出品モデルの紹介などが行われた。

好調な大型艇市場を睨んで参考出品として「コンセプト33」という船外機300馬力2基掛け33フィートオープンタイプボートを展示し、 国内ボート市場に新しいジャンルの風が吹き込む予感を感じさせる事や、東京オリンピックに向け、 470セーリングチームを再編成するなど、トップメーカー自身が積極的な攻めの姿勢を明確に示していた。

11時45分からは開会式が執り行われ、 主催者の一般財団法人日本マリン事業協会会長の挨拶・テープカットで本年のボートショーがスタートした。

ヤマハブースでは、コンセプト33をはじめEXULT36・SR320・DFR-36 FBなど、 中大型艇コーナーが目立つ中、参考出品でDFR33を初お披露目し、 中型フィッシングボートの充実に向けた意気込みが感じられた

マリンジェット・スポーツボートはボート等が展示されたブースとは通路を挟んだ「PWCワールド」に集められ、 特にニューモデルのGP1800は注目度も高く、開場と同時に熱心なお客様の人だかりができていた。
「RiDE」の体験コーナーでは操船シミュレーターを楽しむお子様連れのお客様で賑わっていた。

ワイズギアはヤマハブース内ではなく、今年は独立したブースでの出展を行い、 実艇(YFR-24)への艤装を見せるなど、例年以上に力の入った展示となっていた。
また、i-Pilot(電動モーター)の新機種など、釣り関連用品が充実した展示となっていた。
ヤマハ発動機ブース内では、新しい試みとして横浜の風景やボートの船内の様子などをVR(バーチャルリアリティー)で体験できるコーナーが登場し、 初めて見る360度VRに皆さん大喜びの様子。

今年の大きな特徴としては、ブース全体が広くなった上に新しい出展社が大幅に増えた事で、 アパレルメーカー・販売店や雑誌社など、クレジットカード会社だけでなく、富裕層を意識したジャンルの出展が目立っていた。

ヤマハでは昨年からの試みとして「シースタイル」を軸とした販売店さんの出展を充実させており、 今年は東北の販売店さんだけでなく、マリコム東海(ヤマハマリーナ沼津・浜名湖)、 沖縄からの参加も含め、ヤマハブースの向かい側という好立地で、それぞれのエリアでの海の楽しみをアピールしていた。

パシフィコ横浜の会場内で併催されている「中古艇フェア」には選りすぐりの中古ボートが展示されていた。

エンジン換装や内装のリフレッシュ・リニューアルなど、 単なる「古いボート」ではない「グレードアップ」された優良中古艇は人気が高く、 ボートショー初日にも関わらず「商談中」「売約済み」の艇が出るなど一物一価ならではの商売形態が見られた。

また、日本を代表するボートデザイナーで、 長年ヤマハ発動機のマリン部門の責任者を務めておられた「堀内浩太郎」さんが昨年お亡くなりになり、 その功績を偲んで特別コーナーが設置されていた。
日本のボートショーが世界から注目されていた要因の一つに「堀内さんの作るコンセプトボート」があり、 2人乗りの水中翼船など堀内さんが世界に発信してきた「ボートの夢」作りをされる第一人者を偲び多くのボート関係者が集まり思い出話に花を咲かせていた。

ボートショー名物となった感のある「マリン用品大バーゲン」は今年も健在。
マリンウェア・シューズ・小物などなど、いずれもお買い得な商品ばかり。
伊勢丹メンズコーナーなどの今年初めて出展された所も多く、 また飲食ブースも例年の「屋台」がご覧のようなオシャレなコーナーになり、例年以上に楽しめるパシフィコ会場となっていた。

もはや恒例となった感のある「高級輸入車」はロールスロイス・マクラーレン・ロータスなど世界に名だたるメーカーの高級車が勢揃い。
また、今年はダイナースクラブなどの富裕層向けカード(クレジットカードのプレミアクラス)の出展が目立ち、 シャンパンの提供をするなど、優雅な雰囲気のサロンと化していた。

第2会場 横浜ベイサイドマリーナ

第2会場である横浜ベイサイドマリーナでは、開催以来最高の51隻が展示された。
ヤマハコーナーでは、プレミアムヨッツ「イグザルトシリーズ」からヤマハのDNAを余すことなく受け継いだ新次元コンバーチブルモデル「EXULT 38 CONVERTIBLE」や、 先進のデザインと品質を追求したサロンクルーザー「EXULT 36 Sport Saloon」など3モデルがフローティング展示されていた。
その他海上に係留されている展示艇には一部を除いて乗り込むことができ、小雨の降る悪天候の中、 来場者たちはお目当ての艇に乗り込んで、未来の愛艇に思いを馳せる姿が見られた。

圧巻のフローティング展示に加え、併設されているヤマハマリンセンター横浜では、 ボートショー初お目見えの「SR-X EX」の屋内展示の他、人気のアパレルやマリンオーディオに加え、 VIP ROOMではEXULTシリーズのハルカラーを壁面に展示するなど新たな趣向も見られた。
屋外では 「DFR-36EX」や「SR320FB」、「SR-X24」「S-QUALO」など人気の新艇の展示即売会が同時開催されていた。
こちらもすぐに乗り込むことが可能で、この夏オーナーデビューを果たしたい方には必見のコーナーになっている。

陸上ブースでは、アパレルやマリン用品、マリンプレイが楽しめるアイテムが出展され、スタッフの話を熱心に聞く来場者の姿が見られた。
また、例年多くの来場者が足を止める特設コーナーでは、エアストリームジャパン社の2017年モデルのキャンピングカーが展示されていた。
充実した室内はまさに家そのもの。
スタッフの多くがエアストリームのオーナーであり、キャンパーという同社。
キャンプを始めてみたいという方はぜひご相談を。

2会場を効率よく周りたい方に便利なのが、無料で往復運航しているシャトルバス(片道の所要時間は約30分)と、 シャトルボート(有料)。
時間に余裕がある方は、片道60分のショートクルージングでちょっとした非日常を楽しむのもいいだろう。

ページ
先頭へ